UX改善によるグロースハックの成功確率を8倍にする方法

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グロースハック、UX改善の施策の成功確率を8倍に高める方法があるとしたら知りたいだろうか。

それは、言葉としては知っていても、恐らくしっかり実施したことがないであろうユーザーテストだ。

本記事ではグロースハックやUX改善においてユーザーテストがなぜ必要か、そしてどのようなステップで進めていくのかの全体感について書く。ユーザーテストについての全3回の記事の1本目だ。

今回はKPIの設定が終わって、サービスの課題が見つかっていることを前提で話を進める。

データ分析がサービスの問題が「どこにあるか」を特定するものであるのに対して、ユーザーテストはサービスの問題が「なぜ」生じているのかを見つけ出すステップだ。

たとえば、グルメ系のサービスで翌日再訪率をKGIとしたときに、KPIを「初回利用時の店舗ページ閲覧率」と設定したとしよう。また、3店舗以上見たときにKGIが大きく動くこともわかっている。つまり、新規ユーザーが初日に3店舗以上ページを閲覧すると、2店舗以下しか見ない場合に比べて翌日にサービスに来る確率が格段に上がるということだ。

しかし、そのままでは「店舗ページを3店舗以上見るユーザーを増やせばKGIを向上させられる」ことは分かっているが、「なぜ多くのユーザーが初回利用時に3店舗以上見ていないのか」という”理由”はわからない。この「なぜ」を明らかにするのがユーザテストの役割だ。

※KGIやKPIという言葉に不安がある場合は、まずこちらの記事を読んでグロースハックの全体像を掴んで欲しい。UX改善による本質的グロースハックのプロセス

 

usertesting_8step

 

ユーザーテストが必要な2つの理由

1. KPIを上げる施策の確度を上げられる(私の感覚では約8倍を目指せる。)

2. 施策を実行するための説得材料を集めることができる

 

1. KPIを上げる施策の確度を上げる

過去のコンサルティングの経験則からだが、単純にブレストで出た施策をそのまま実行するよりもユーザーテストを実施してから施策を選んで実行するようにしたところ、実際に数値が改善する率が肌感で約8倍程度上がった。

成功率が向上する理由は簡単で、「なぜKPIが低いのか」という原因をユーザーテストの中で実際にユーザーが困っている様子などから明らかにして、その原因に対しての施策を出せるからだ。

user_testing_what_or_why

たとえば、架空のグルメ系のレコメンドサービスで、KGIを継続率としたときに、KPIが「店舗の予約数」だったとしよう。ただ漫然とブレストをして、レコメンド機能を強化したり、予約フォームを簡略化してみても結果が出ない。

しかし、ユーザーテストをやってみると予約画面の場所がどこかわからないで、操作に手間取っていることがわかり、予約画面への導線を改善すると予約数が劇的に伸びた、というようなことが多々ある。

思い込みで施策を乱発するよりも、実際にユーザーが困っている/できていないことを解決してあげれば高い確率で数値は改善する。

 

2. 施策を実行するための説得材料を集める

ユーザーテストを実施するようになってから、施策を実行まで持っていくのが本当にスムーズになった。テストで撮影した動画を使ってユーザーが実際に困っている姿を見せるとデザイナー、エンジニア、ビジネス職、皆を動かしやすくなる。

たとえば、私はインドのとあるスタートアップにハンズオンで数ヶ月間コンサルティングを行ったのだが、当初自分のために開発リソースはまったく用意されていなかった。

しかし、実際にユーザーがクライアントのサービスをうまく使えずに困っている様子を施策提案の中で見せることで、4回の提案施策すべてを優先して開発してもらえることになった。
インド人はなかなか頑固な人が多いのだが、データとともにユーザーが困っている様子を見せると、最優先で提案プランを実施するために動いてくれた。

言葉で論理に訴えるよりも、「ユーザーの負を解決したい」という感情に訴える方が人を動かすことができる。これは何もスタートアップに限った話ではなくどんな規模の会社でも、愛して止まないユーザーが困っている様子を見せることでチームのやる気を大いに引き出せる。
 
「100回のがんばろう」よりも「1分間のユーザーが困っている動画」の方が圧倒的にチームのモチベーションは上がる。

以上2つの理由から工数を割いてでもユーザーテストを実施すべきだ。

 

ユーザーテストの全体像

それでは2つのメリットがあるユーザーテストでは具体的にどのようなことを実施していくのだろうか。ユーザーテストは下記の3つのステップに分けることができる。

user_testing_design_to_analysis

設計、実施、分析それぞれの概要について説明する。詳しい中身については他の記事で解説をするので、まずは全体像を掴んで欲しい。

■設計
設計フェーズはユーザーテストであぶり出したい事項を整理し、それらを設問項目に落とし込んでいくフェーズである。設計フェーズは具体的に以下のようなステップに分けられる。

user_testing

ここのステップがテストをする上で一番重要だ。テストの設計が不十分だと、実施や評価をしても「なぜ」KPIが低いのかを明らかにしにくくなる。ここの部分については次の記事で詳しく書くので、そちらの記事を読んで欲しい。

■実施
実施フェーズは実際にユーザーテストを行うフェーズである。テスト中にやるべきこと、 やってはいけない事がいくつかあり、それらに留意しないとテスト結果が歪められてしまう。 下記のようなことを特に注意して欲しい。

user_testing_notes

たとえば、間違った操作をしたときにユーザーに質問をしてしまうと、ユーザーは自分が間違った操作をしたと感じてしまい「正しい答え」を探そうとしてしまう。沈黙を守っていれば、そこでユーザーが離脱していることがわかるはずだったのに、結果を歪めてしまうのだ。

■分析
分析フェーズはユーザーテストで見つかったサービスの課題やその他の学びを整理し、 次のアクションに繋げていくフェーズである。発見点の正しい整理の方法を知らないと 膨大な発見の数に圧倒されてアクションに繋げていくことができない。 下記の3つのステップを踏むことで「なぜ」KPIが低いのかを洗い出すことができるはずだ。

user_testinganalysis

 

出てきた課題をインパクト×頻度で整理をするのが中心の作業になる。※詳しくはこちらの記事のインパクトと頻度の箇所を確認していただきたい。

 

以上ユーザーテストの必要性と全体像についてまとめた。ユーザーテストは工数がかかり、きっちり設計をしないと成果を上げづらいので敬遠しがちだ。

しかし、丁寧にやることで最終的にかならずサービスのプラスになるはずだ。必要性と全体像について理解してもらったところで、次回記事ではユーザーテストでもっとも重要な設計について詳しく解説する。

メンタリングなどお仕事の依頼は下記メールアドレスまで。
kent.kajitani@growiz.us

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Kent Kajitani Written by:

「グロースハックの教本」著者 大手グローバルブランドを含む複数企業にグロースハックとUXデザインのコンサルティングを行っている。 東京大学経済学部卒業。2015年末まではVASILYでiQONのグロースを担当。米国UXデザインプログラムTradecraft卒業。

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